2月14日に大井競馬場で行われた雲取賞は、マイペースで逃げた3番人気のJRAブルーサンが押し切り勝ち。
重賞初挑戦でタイトルを獲得し、新体系元年となった3歳ダート3冠路線の主役候補に躍り出ました。
和田竜二騎手は「道中は速いように見えて、馬のペースで行けていますので、そのあたりが強い要因。
羽田盃と同じコースで走れたというのは強みになると思います」とコメント。
ブルーサンと和田竜二騎手(Photo by 両角昭男)
今後は同舞台で行われる羽田盃(4月24日、1,800メートル)に向かいます。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎イーグルノワール4着
〇アマンテビアンコ2着
▲サントノーレ3着
△ウルトラノホシ6着
△ギガース7着
△ライゾマティクス8着
でハズレ。
大井・荒山勝徳厩舎への転入初戦だった6番人気サントノーレは、
前走の全日本2歳優駿に次ぐ地方最先着の3着に粘り込みました。
ホッカイドウ競馬在籍時から7戦すべて手綱を取る服部茂史騎手は
「イーグルノワールが目の前にいたので負かす競馬をして、最後まで頑張ってくれた。
大外枠からあの位置(3番手)がスッと取れたので、どの枠でもあの脚を使って行けるし、あれだけ粘ってくれたのは収穫。
馬の成長も感じますし、次が楽しみ。距離は大丈夫」と手応え十分。
羽田盃に直行するか、京浜盃(3月20日、大井1,700メートル)を挟むかは未定ですが、打倒JRA勢のチャンスはあるでしょう。
サントノーレ(Photo by 両角昭男)
地方所属の上位2頭に与えられる羽田盃の優先出走権。
もう一枚の切符を手に入れたのは、11番人気の低評価を覆して5着に健闘したフロインフォッサルでした。
初騎乗の本田正重騎手は「まだ緩いから、成長してくれれば。
もう少し体が欲しいし、首元がもっとドンとして欲しいけど、モノは悪くない。
距離はいくら延びても大丈夫」と将来性に期待をかけています。
前走のニューイヤーC(5着)のコラムでも触れた通り、今後の成長が楽しみです。
フロインフォッサル(Photo by 両角昭男)
昨年の2歳女王で4番人気に支持されたローリエフレイバーは11着に沈み、デビュー2戦目からの連勝が4でストップ。
主戦の野畑凌騎手は「いい経験になったと思います。ペースも速いし、砂をかぶるのは苦手ですね。
自分のリズムじゃないと本領が発揮できないというのが分かりましたし、気持ち良く走らせるのがこの馬には一番大切。
次は桜花賞に行くのかな。牝馬相手なら絶対に力が上なので」ときっぱり。
初の小回り、左回りコース克服が鍵になりますが、桜花賞(3月27日、浦和1,500メートル)で巻き返しを期待します。
そして、前走のニューイヤーCで0秒2差の接戦を演じた3頭のコメントは以下の通りです。
ニューイヤーCの覇者で7番人気7着ギガースの森泰斗騎手は「もうちょっと行かないとダメかな。
大井1,800メートルだからトライアルの意味も込めていったけど、結果的にもうちょっと違う乗り方があったと思う。
適性はもうちょっと短いところにあるような気がするけど、乗り方一つで対応できる。
今日のところは力を出し切れなかった。もう少し出して行くべきだった」と反省しきり。
9番人気13着クルマトラサンの張田昂騎手は「初めて砂を嫌がっちゃって。
今までなかったけど、前をもうちょっと詰めれば嫌がらなかったのかな。分からない。
距離は短い方がもちろんいいけど、挑戦していかないと」。
10番人気8着ライゾマティクスの矢野貴之騎手は「緩くて、跳びはきれいですけど、この砂がマッチしていない感じもある。
ノメって走っていたので、そのへんが気になります。キックバックもちょっと嫌がっていて、たぶんこの馬自身は初めてだったので、
自分の走りができていない感じでした。いいモノは持っています」と振り返っています。
最後に、5戦無敗のハイセイコー記念勝ち馬ダテノショウグンの最新情報(14日現在)をお伝えします。
馬房で蹄を負傷して雲取賞を回避しましたが、幸い感染症もなく、歩けるまで回復しているとのこと。
陣営の落胆は計り知れませんが、森下淳平調教師は「爪さえ伸びればおそらく問題ない。最終戦に間に合わせられればと思う。
馬がいいのは変わりないし、能力が落ちる訳ではない。充電期間だと思って、古馬になって良くなると信じて」と気持ちを切り替えています。
3歳ダート3冠ラストのジャパンダートクラシック(10月2日、大井2,000メートル)参戦へ、とにかく順調に…と願うばかりです。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。