2月21日に浦和競馬場で行われた桜花賞トライアル・ユングフラウ賞は、
マイペースで逃げた5番人気ミチノアンジュが押し切り、重賞初挑戦でタイトルを手に入れました。
ミチノアンジュ(Photo by 石井一雄)
初めてコンビを組んだ本田正重騎手は「スタートも良く、とても乗りやすかった。
すんなり行けて、ペースもゆっくり行けたので良かったです」と会心の表情。
本田正重騎手(Photo by 石井一雄)
初コース、左回りを難なく克服したミチノアンジュが、
南関東3歳牝馬3冠の第1戦・桜花賞(3月27日、浦和1,500メートル)の主役候補に名乗りを挙げています。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎スティールマジック2着
〇プリンセスアリー4着
▲スピニングガール11着
△モノノフブラック3着
△ミモレフレイバー6着
△イマヲトキメク8着
でハズレ。
◎に推奨したスティールマジックは勝ち馬をマークする形でレースを進めましたが、最後まで差は詰まらず…。
栄冠賞、エーデルワイス賞に次ぐ2着となり、単勝1・7倍の断然人気に応えられませんでした。
張田昂騎手は「(勝ち馬に)思ったより走られた。下手に乗ったつもりはないけど、1,200メートルの方が走りっぷりがいい感じ。
最初のコーナーはきれいに回ったけど、3コーナーでダメだった。入り口と出口が苦手。張ったり、ささったり、難しい。
マイルまでこなせると思うけど、思い切り行けるのは1,200メートルかな」と課題を口にしています。
現状ではワンターンの競馬が合っているようですが、門別1,500メートルで勝ち星があるので、桜の舞台でも軽くは扱えません。
スティールマジック(Photo by 石井一雄)
3着に粘り込んだ6番人気モノノフブラックの落合玄太騎手は「ブリンカーが効いている感じはありましたし、コースも合う感じ。
向こう正面でグッとペースが上がった時にちょっと置かれて、その距離を詰められなかったけど、左回りは大丈夫ですし、
小柄な馬なので小回りの方がいい気がします」と振り返っています。
ネクストスター門別2着、イノセントC、エーデルワイス賞3着の力を示しましたが、
東京2歳優駿牝馬(11着)のコラムで触れた通り、
守備範囲は1,400メートルまでの印象。100メートル延長される本番では割り引く必要がありそうです。
モノノフブラック(Photo by 石井一雄)
前残りの流れの中、メンバー最速の末脚で4着まで追い上げた2番人気プリンセスアリーは収穫あり!!です。
初騎乗の岡部誠騎手は「スピード負けしちゃう。慣れてくれば一列前で競馬ができるだろうけど、
まだおっとりした感じがあって、前向きさというか、浦和に合う脚質が足りていないのかな。
しまいは間違いなく脚を使っているし、もうちょっとグッと行ってくれるスピードがあれば。今日を使って変わってくると思います。
忙しい競馬よりも、距離は間違いなく長めの方がいい」と逆転へ意欲を見せています。
11番人気5着トレイルリッジの澤田龍哉騎手は「馬の為にはすごくプラスになるレースだった。
コーナーで置かれたり、砂をかぶってモサモサしちゃったり、体が温まるまで脚が使えないとか、
そういう面が多々あるので完成された状態ではないけど、脚の使いどころをしっかりできた。
距離は延びても気にならないし、体の成長的にまだ緩いので前進はある。もまれた経験がどう生きてくるかですね」とコメント。
そして、3番人気8着イマヲトキメクの小杉亮騎手は「期待していたけど、小回りは厳しいのかもしれない。
跳びがデカいから詰まっちゃって、コーナー、コーナーで頭が上がる感じ。広いコースの方がいい」と残念そう。
4番人気11着スピニングガールの御神本訓史騎手は「スタートでぶつけられて走る気をなくしたような感じ。
それにしても反応がなさすぎる」と首を傾げていました。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。