3月27日に浦和競馬場で行われた南関東3歳牝馬3冠の第一戦・桜花賞は、地元の3番人気プリンセスアリーが直線の追い比べを制して快勝。
ユングフラウ賞4着時のコラムで触れた通り、距離延長を味方につけて初タイトルを獲得しました。
今月31日付で定年を迎える岡田一男調教師にS1の勲章をプレゼントした森泰斗騎手は
「ドラマのような結果でうれしいです。小柄ですが、乗ると芯がある馬で、見た目以上に動く。
まだ体も成長しそうですし、楽しみが広がります」と会心の表情。
2冠がかかる東京プリンセス賞(4月25日、大井1,800メートル)でも主役級なのは間違いなく、
昨年の2歳女王ローリエフレイバーとの初対決が楽しみです。
プリンセスアリー(Photo by 石井一雄)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎ミスカッレーラ5着
〇プリンセスアリー1着
▲シトラルテミニ4着
△ミチノアンジュ3着
△モノノフブラック11着
でハズレ。
単勝1・8倍の断然人気に支持されたミスカッレーラは勝負どころの反応が鈍く、直線でも伸びきれず5着に終わりました。
約3か月ぶり、過去最低体重の482キロ(前走比-11キロ)ということもあり、
御神本訓史騎手は「馬に元気もなく、進んで行かなかった」とコメント。
今回は残念な結果でしたが、デビュー以来3連勝でローレル賞を制した素質は疑いようがなく、次走での巻き返しを期待します。
4コーナーで2番手まで押し上げた6番人気パペッティアは見せ場たっぷりの2着。
初騎乗の本橋孝太騎手は「乗り難しい馬だから、どんな感じになるか想像できなかったけど、
左回りの経験もしていないわりに頑張ってくれた。あそこまで行ったら勝ちたかった」と残念そう。
相変わらず気性面の課題は残りますが、S1で通用する力は示しています。
パペッティア(Photo by 石井一雄)
主導権を握ってユングフラウ賞の再現Vを狙った2番人気ミチノアンジュは、もうひと踏ん張りが利かず3着に敗れました。
本田正重騎手は「ハナに行くつもりで乗っていました。
向こう正面はペースが落ち着いたし、自分の競馬はできたかな。距離が延びてどうか」。
全3勝を1,400メートルでマークしている同世代の牝馬トップクラスのスピードタイプ。今後の路線選択が注目されます。
ミチノアンジュ(Photo by 石井一雄)
一方、東京プリンセス賞に向けて収穫大!なのは、4番人気4着のシトラルテミニです。
ダッシュがつかず位置取りが悪くなりましたが、矢野貴之騎手は「浦和であのスタートではちょっとキツい。
まくってもいいぐらいの脚はあるけど、ミスカッレーラが動かなすぎたのが誤算。
展開次第で結果は変わってくるし、浦和コースに合った馬が上位にきている感じ。
馬はだいぶいい感じになっているし、大井1,800メートルの広いコースの方が合うと思う。
楽しみにしています」と逆転へ意欲満々。
シトラルテミニ(Photo by 石井一雄)
そして、11着に沈んだ5番人気モノノフブラックはスプリント路線で一変がありそうです。
初めて手綱を取った澤田龍哉騎手は「2コーナーを回った時は勝つんじゃないかって感じだったけど、
パペッティアがきてからリズムを崩した。1コーナー手前でハミを取りすぎた感じがあったので、抑えすぎて嫌気をさしたのかな。
追い切りもしっかりやれていたぶん、勝ち負けになると思っていたし、すごくいい馬なので残念です。
次も乗せてもらえるなら工夫したい。追って行くより、出たなりでジッとして、エーデルワイス賞(3着)の差し脚みたいな感じで。
成績的にも短距離路線の方がいいと思う」と早くも勝利へのイメージは固まっているようでした。
モノノフブラック(Photo by 石井一雄)
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。