「ダート中距離系の種牡馬は大激戦!」
2015/9/29
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それは、父の名前で方向性がわかったほうが売りやすいという、馬産地の全体的な考えかたによるものかもしれない。しかしながら、たとえば東京ダービー馬を例にとると、
今年の優勝馬、ラッキープリンス=サイレントディール
昨年はハッピースプリント=アッミラーレ
一昨年、インサイドザパーク=タイムパラドックス
3年前、プレティオラス=フィガロ
と、いわゆるメジャーな種牡馬が席巻しているわけではない。5年前はワイルドラッシュ産駒で6年前はゼンノロブロイ産駒だが、どちらかというと、マイナー軍団のなかから一発大当たりが出るケースが多い。このあたりはディープインパクトとキングカメハメハだらけの芝中長距離路線とは、まるで違う様相だ。
(ハッピースプリントの父、アッミラーレ)
うーむ、もしかしたら、日本ダービー方面を目指したいけれど、社台グループに対抗するのはもう無理だわ……という日高地方の生産者の思いが「ダートな種牡馬」に向く理由になっているのかも。確かに、日高産のディープインパクト産駒の活躍率は、社台グループに比べるとかなり落ちる。しかしそれって、競馬全体のデザインを考えるとどうなのよ、という気はするなあ。
しかしそうなってくると、激戦区になるのは南関東を中心とした地方競馬。今でもハイレベルだと思うのだが、それがさらに激しくなるのは間違いない。JRAもレベルが上がっていくだろうが、あちらは3歳春のダート路線のレースが少ないから、そこで素質馬が星をつぶしあうようになるかもしれない。
そんな今後の競馬界の行く末がちょっと心配だけれど、そのなかでたくさんの人はそれぞれに最善を尽くしている。その結果が良いバランスになってくれることを祈りたい。
でも、こんな話もある。社台グループが2001年に「地方競馬オーナーズ」を創設し、そして徐々に実績を上げてきたころ、浦河で育成場を経営している私の友人が「ぼくらの夢にまで手を出さんでほしいわ……」とボヤいていたものだが、やはり刺激があると全体が底上げされるのは間違いないようだ。
マズルブラストやクラーベセクレタなどの活躍馬は出ているが、決して社台グループに制圧されたわけではないのは、そういった馬たちに負けないようにと、日高地方のレベルアップが進んでいるからだろう。
となると、やっぱり個人的な心情としては日高方面の馬を応援したくなってしまうわけですわ。
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