「サンクルー競馬場で学んだこと」
2017/10/2
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さすが場外馬券売場が7000か所ぐらいあるというフランス。競馬場に来て馬券を買うのは少数派なんですな。ちなみに入場料は5ユーロ(約650円)。それだけでもけっこうなハードルがあります。もちろん無料バスなんぞ運行されていません。
よおし、それならいつものとおり「現地でパドック診断した者だけが得られるアドバンテージを活用しよう」作戦でガッツリ勝つぞ〜。と思ったら、これがどの馬も良く見えるのだからやんなっちゃう。
うーむ、つまりこれがフランスのホースマンの水準なんですな。2歳戦のパドックを見たら、メンコをつけている馬はゼロ、バンテージを巻いている馬はゼロですよ。こんなの日本ではまずお目にかかれない!
(サンクルー競馬場の2歳戦のパドック)
さらにパドックで馬を曳く人は全員ノーヘルメット。スカートにパンプス姿の女性厩務員もいました。レース終了後は全馬が場内を横切ってウイナーズサークルに行き、そこで勝った馬も負けた馬も曳き運動。結果が確定したら負けた馬は厩舎に帰っていきますが、なかには客エリアをショートカットしていく馬もいました。
じつは私、欧州の競馬場に行くのが初めて。「ヨーロッパは人と馬の距離が近い」というのはよく聞く話として認識していましたが、なるほどこういうことですかと勉強になりました。
かねてから私は不勉強ながらも「日本の厩舎スタッフの多くは、馬との距離が遠すぎるか近すぎるかのいずれか」という印象を持っているのですが、なんとなくそれは正解かなと感じました。馬は放任主義でも過保護でもダメ。「ちょうどいい」を自然と実践できるスタッフを多く抱える厩舎が好成績を挙げているように思っていたのです。
馬を曳く人が普段着で、耳を覆って音を遮るメンコを馬につけないのは、そこに信頼関係があるからこそ。しかしこれは厩舎スタッフだけの話ではなく、生産牧場や初期馴致、中期育成そして鞍をつけての後期育成すべてで、馬と人との距離が「いいあんばい」なんだろうなと思わされました。
ただ、競馬の予想をする限りではそこまでを網羅することは無理。でもそこは「厩舎力」である程度の補完はできるかと思います。今週の重賞もそこを考えつつ、まずは東京盃からレッツゴー。
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