「マリーンカップからの考察」 2/3頁
2019/4/15
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もうひとつの心当たりは、あちらこちらの業界で聞かれるようになった「人手不足」。遠征競馬になると担当の厩務員さんが帯同しますから、そのほかの担当馬は誰かにカイバつけや馬房掃除などを頼まなければならなくなります。それが1頭ならなんとかなるのでしょうが、3頭や4頭になると、協力するにも限界があります。
(産地馬体検査の取材中)
賞金額が減らされていたころは、厩舎側も最低限の人数で運営せざるをえませんでした。しかし賞金額の増加に伴って在厩頭数が増えても、人間の数はなかなか簡単には増やせません。これは北海道の牧場での話ですが「馬房掃除とカイバ付け専業の仕事を時給1500円で出しても応募が来ないんですよ」とのこと。厩舎界隈もそういう状況に近いのでは?
だとすると、この構造的問題は慢性的なものになる可能性が大。先週は日曜日から木曜日まで北海道の馬産地にいましたが、日高地方、とりわけ静内や浦河では東南アジア系の人が多く見られました。
その状況に対応するために、今後は「外国人のための日本の牧場仕事の入門講座」というプログラムの設置が検討されている模様。それを含めて、競馬の現場をとりまく人間の状況が変わっていくことになるのでしょう。
(今回の日高路で唯一の外食)
それに関連して、ふと思い出したのが東京ディズニーランド。じつはわたくし、30年前に半年だけアトラクションで勤務していたことがありまして、その当時は開園から間もないこともあって、社員もアルバイトも若者ばかり。
しかし入園者は増えるわディズニーシーができるわで、だんだんと現場から要求される人数を運営側が用意できなくなってきているようなのです。
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馬券は20歳から、適度に遊ぶ、大人のたしなみ。
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