~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年11月12日(水) 
サラ系2歳 大井1,600m
ハイセイコー記念(S1)

レース紹介

南関東所属馬による2歳重賞「ハイセイコー記念(S1)」
大井が生んだ国民的アイドルホース“ハイセイコー”を冠した2歳重賞!
将来のスターホース候補生の誕生が期待される大注目の一戦だ。

▼データ分析のポイント
・優勝馬は全て3番人気以内
・「8枠」をはじめとした外枠勢が活躍
・レース経験が浅いマイル未経験馬でも大丈夫

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 スマイルマンボ 大井 デクラレーションオブウォー 1人気
2023年 ダテノショウグン 大井 バンブーエール 1人気
2022年 マンダリンヒーロー 大井 シャンハイボビー 3人気
2021年 ノブレスノア 浦和 トーセンブライト 2人気
2020年 アランバローズ 船橋 ヘニーヒューズ 3人気
2019年 ゴールドビルダー 船橋 パイロ 2人気
2018年 ラプラス 大井 カジノドライヴ 2人気
2017年 ハセノパイロ 船橋 パイロ 3人気
2016年 ミサイルマン 大井 カネヒキリ 1人気
2015年 トロヴァオ 大井 カネヒキリ 3人気

2020年のS1昇格初年度から東京ダービー馬アランバローズを輩出。
以降も2022年の優勝馬マンダリンヒーローが翌年4月の「サンタアニタダービー(USA・G1)」で2着、
2023年優勝馬ダテノショウグンはデビュー7連勝で「黒潮盃(S3)」を制覇、2024年優勝馬スマイルマンボは3歳ダート三冠初年度を戦い抜いた。

もちろん、2019年以前のS2当時からレースレベルは高く、過去10年の優勝馬からはのべ2頭の南関クラシックホースが誕生。
12月には「全日本2歳優駿(Jpn1)」が控えているものの、クラシックを見据える2歳馬にとっては非常に重要なレースと言ってもいいだろう。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

リーディング上位2名の争い

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 矢野 貴之 安藤 洋一 森 泰斗
2023年 御神本 訓史 森 泰斗 張田 昂
2022年 矢野 貴之 左海 誠二 内田 利雄
2021年 森 泰斗 西 啓太 左海 誠二
2020年 左海 誠二 本橋 孝太 森 泰斗
2019年 森 泰斗 笹川 翼 的場 文男
2018年 矢野 貴之 笹川 翼 今野 忠成
2017年 本田 正重 矢野 貴之 中野 省吾
2016年 笹川 翼 矢野 貴之 今野 忠成
2015年 本田 正重 笹川 翼 石崎 駿

リピーターが活躍しているハイセイコー記念だが、そこにはある傾向が…

それは、3着内に好走している騎手の多く(太字)が、「2年連続」ないし「3年連続」で3着以内に来ているということだ。
今年と来年というケースはもちろん考えられるが、この傾向に沿うのであれば「矢野貴之騎手」と「安藤洋一騎手」は要チェックだろう。

また、過去10年で好成績を残しているのは「森泰斗元騎手」「矢野貴之騎手」「笹川翼騎手」の3名。
「森泰斗元騎手」は調教師としての活躍が期待されるが、南関東リーディングの上位2名「矢野貴之騎手」「笹川翼騎手」からは目が離せない。

2025年リーディングジョッキーはこちら
(上位2名が250勝以上で3位以下とは100勝以上の差がある)

大井所属馬が地の利を生かす

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 3 5 12 4.8% 19.0%
船橋 3 1 2 13 15.8% 21.1%
大井 6 6 2 67 7.4% 14.8%
川崎 0 0 1 9 0.0% 0.0%

地元の「大井所属馬」が6勝、2着6回、3着2回と優勢。
これに続くのが「船橋所属馬」の3勝、2着1回、3着2回だが、少数精鋭のため、好走率ではこちらに分がある。

南関東の2歳重賞は以前と比べると非常に充実してきた。
そのレース数は「大井・川崎」が各4レース、「浦和・船橋」が各1レースとなり、“地元の馬は地元重賞に”という傾向になりつつもある。
参考までに、直近5年のハイセイコー記念での大井所属馬率を以下に示す。

▽2024年:出走16頭中、12頭が大井所属馬(75.0%)
▽2023年:出走11頭中、同6頭(54.5%)
▽2022年:出走10頭中、同6頭(60.0%)
▽2021年:出走14頭中、同7頭(50.0%)
▽2020年:出走9頭中、同5頭(55.6%)

例年は3歳クラシックを見据えて他場から参戦する馬が多いが、2024年は大井所属馬率が75.0%という割合に。
3歳ダート三冠との因果関係もありそうだが、この割合、推移は今後も見ていきたいところだろう。

南関デビュー馬が意地を見せる!

【デビューした地区別の成績】

デビュー地区 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
南関東 8 9 10 89 6.9% 14.7%
ホッカイドウ競馬 2 1 0 11 14.3% 21.4%
その他 0 0 0 1 0.0% 0.0%

続いて、デビューした競馬場別の成績。

「南関東デビュー馬」の8勝、2着9回、3着10回に対して、「ホッカイドウ競馬デビュー馬」は2勝、2着1回、3着0回。
同じ2歳重賞「鎌倉記念(S2)」「平和賞(S2)」と比較すると、「南関東デビュー馬」の方が優勢と言えそう。

ハイセイコー記念は「南関所属馬限定」のレースでもあり、南関東の生え抜きが結果を残す傾向にあるようだ。

上位人気馬+1

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 2 0 5 30.0% 50.0%
2人気 3 3 0 4 30.0% 60.0%
3人気 4 1 1 4 40.0% 50.0%
4人気 0 2 2 6 0.0% 20.0%
5人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
6人気以下 0 1 6 74 0.0% 1.2%

「1~3番人気馬」が全10勝を挙げているが、それぞれ連対率を見てみると…

▽1番人気:50.0% (3着内率50.0%)
▽2番人気:60.0% (3着内率60.0%)
▽3番人気:50.0% (3着内率60.0%)

勝利するのは「1~3番人気馬」で、同人気馬でのワンツー決着も6回ある。
ただ一方で3強が並び立つことは無く(3着がほぼない!)、「1~3番人気馬」の中から2頭+「4番人気以下」という組み合わせが多いのだ。

そこで注目したいのは「6番人気以下」の3着6回。
連対数こそわずか1回と苦戦しているが、3連勝式の3着欄にはチェックを入れておきたいところだろう。

大荒れはないが、堅くもない

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 190 610 10,130
2023年 190 930 4,790
2022年 460 680 9,160
2021年 530 7,410 81,450
2020年 380 590 5,320
2019年 430 1,190 22,710
2018年 400 840 8,080
2017年 780 910 18,800
2016年 310 1,790 58,570
2015年 520 1,160 178,720
平均 419 1,611 39,773

過去10年の「単勝」は全て3桁配当で平均419円。
「馬複」は平均1,611円、「三連単」は平均39,773円となっており、堅くもなく大きく荒れることもない。

これは、前述の「人気別成績」の通り、1~3番人気馬が上位に来ている結果だろう。

「8枠」に注目

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 2 1 9 7.7% 23.1%
2枠 0 0 1 12 0.0% 0.0%
3枠 1 0 2 12 6.7% 6.7%
4枠 0 2 2 13 0.0% 11.8%
5枠 1 0 1 14 6.3% 6.3%
6枠 2 2 1 13 11.1% 22.2%
7枠 2 1 2 14 10.5% 15.8%
8枠 3 3 0 14 15.0% 30.0%

「8枠」が3勝、2着3回で勝率、連対率ともにNo.1。
勝ち馬8頭が「5枠~8枠」から出ているので、レース傾向としては「外枠有利」となりそう。

大井1,600mは1周1,400mの内回りコースをぐるっと1周するコース設定。
“内枠有利”の印象はあるものの、データ上では外枠有利の傾向にあるようだ。

ちなみに、真逆のことを記載するが、過去10年の「1枠」の成績は1勝、2着2回、3着1回。
フルゲート16頭立てとなったケースは3回(うち1回は1頭除外で15頭)あるが、その全てで「1枠」が3着内に好走している。

もちろん、経験の浅い2歳馬なので、スムーズに走れる外枠の方が力を発揮しやすいだろうが…

牡馬が強さを見せる!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 10 94 8.1% 16.1%
牝馬 0 0 0 6 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

「牡馬」が10勝、2着10回、3着10回のパーフェクト。

ハイセイコー記念を占う前哨戦

【ゴールドジュニア(GJ)の着順別の成績】

GJ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
GJ1着 1 2 1 5 11.1% 33.3%
GJ2着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
GJ3着 0 1 1 3 0.0% 20.0%
GJ4着以下 1 0 0 10 9.1% 9.1%

ハイセイコー記念の前哨戦に位置付けられる「ゴールドジュニア(S3)」。
2020年までは「大井1,400m(外回り)」、2021年~2023年は「大井1,200m(外回り)」、2024年以降は再び「大井1,400m(外回り)」で行われている。
いずれにしても「大井1,600m(内回り)」のハイセイコー記念とは条件が大きく異なると言えるだろう。

とは言え、近年は「ゴールドジュニア出走組」、とりわけ「ゴールドジュニア4着内」の成績が良い。
2018年以降、直近7年の成績を抜き出すと、「ゴールドジュニア4着内」はのべ15頭が出走して3勝、2着4回、3着2回である。
※直近7年で3着内に好走しなかったケースは2021年の1回のみ

また、「ゴールドジュニア」は2020年から「S3重賞」に昇格(旧準重賞)。
重賞初年度から東京ダービー馬アランバローズを輩出したのは偶然ではないだろう。

レースレベルが格段に向上しているゴールドジュニア、今年も要チェックとなりそうだ。

2025年ゴールドジュニアの結果

素質馬に距離は関係ない!?

【マイル戦の経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 4 5 5 52 6.1% 13.6%
経験なし 6 5 5 49 9.2% 16.9%

2歳馬にとって克服すべき課題の1つは「距離の壁」。
ハイセイコー記念が行われる「1,600m」の「経験あり/なし」別の成績は上記の通りだ。

これを見ると、「経験あり」の4勝、2着5回、3着5回に対して、「経験なし」は6勝、2着5回、3着5回。
初めて経験する距離は課題でもあるが、重賞を勝つような素質馬は「克服している」という結果になっている。

経験値か?それとも…!?

【レース経験数別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3戦以内 7 1 3 44 12.7% 14.5%
4戦以上 3 9 7 57 3.9% 15.8%

こちらのデータはハイセイコー記念までの「レース経験数」を「3戦以内」と「4戦以上」に分けた成績だ。

「3戦以内」の成績は7勝、2着1回、3着3回、「4戦以上」は3勝、2着9回、3着7回。
1着は「3戦以内」から、2着は「4戦以上」からと明確な結果が出ている。

「マイル戦の経験有無」と同様、経験の浅さを素質・能力で補っていると言えそうだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2日連続重賞!11月18日(火)に川崎競馬場で行われる「ローレル賞(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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