コラム

勝島王冠          

12月7日に大井競馬場で行われた勝島王冠は、最後の直線で外から追い上げた5番人気サヨノネイチヤがゴール寸前で差し切り勝ち。
B1の身ながらも果敢に挑んだ大舞台で、並み居る重賞ウイナーをねじ伏せて見事に初タイトルを獲得しました。
破竹の5連勝を飾り、これで通算12戦10勝、2着2回。

サヨノネイチヤ

サヨノネイチヤ(Photo by 石井一雄)


デビューから手綱を取る西啓太騎手は「気性的にヤンチャな部分があるなかで、このようないい成績を残してくれました。
最初のころから大きいところを取れるという感覚はあったので、すごくうれしく思います」と会心の表情。

西啓太騎手

西啓太騎手(Photo by 石井一雄)


今後は休養を挟んで、来年はブリリアントC(4月9日、大井1,800メートル)や
帝王賞(6月26日、大井2,000メートル)を視野に入れたスケジュールが組まれます。

サヨノネイチヤ

サヨノネイチヤ(Photo by 石井一雄)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ライトウォーリア2着
〇ランリョウオー6着
▲スワーヴアラミス5着
△ロードレガリス3着
△ミヤギザオウ11着

でハズレ。

◎に推奨した1番人気ライトウォーリアは、ハナ差の惜敗で連覇を逃しました。
絶好の2番手を進んで勝ちパターンと思われただけに、
矢野貴之騎手は「前半ちょっと噛んでいる感じはあったけど、最後まで踏ん張っていますし、運の差で負けた。
ロードレガリスがあんなに早く来ると思わなかった。あそこでひと踏ん張り使っちゃった感じはある」と悔しそうでしたが、
地方馬同士の中距離路線なら引き続き主役級の評価でいいでしょう。

ライトウォーリア

ライトウォーリア(Photo by 石井一雄)


約4か月ぶりだった6番人気ロードレガリスは、直線で一旦先頭に並びかける見せ場たっぷりの3着。
初騎乗の落合玄太騎手は「並んでもう一回内に伸びられた時にちょっとキツくなっちゃいました。
あそこでスッとかわせればもう少し違ったのかもしれないですけど、休み明けにしては力を見せてくれたので」と振り返っています。
フリオーソレジェンドC2着時=コラム参照=に吉原寛人騎手がコメントしていた通りの好走で、今後もマークが必要です。

ロードレガリス

ロードレガリス(Photo by 石井一雄)


7番人気4着デュードヴァンの御神本訓史騎手は「距離の不安はあったけど、うまく立ち回れたし、デキもすごく良かったので、
この馬の競馬はできました。頑張って走っています。でも、距離は1,600メートルまでかな」。
距離適性に関する評価はブリリアントC4着時=コラム参照=と全く同じ。
年明けの川崎マイラーズ(24年1月3日、川崎1,600メートル)に出走してくればチャンスがあるでしょう。

以下の2頭は、条件ベストの報知グランプリC(24年1月18日、船橋1,800メートル)で巻き返しを期待します。

2番人気5着スワーヴアラミスの森泰斗騎手は「キックバックを嫌がっていましたし、左回りの方が乗りやすい」。

また、4番人気7着ギガキングの和田譲治騎手は「目の外傷明けでも大丈夫でした。
休み明けのぶんもあるけど、やはり右回りはモタモタするし、3、4コーナーでゴチャゴチャして動きたい時に動けなかった。
それでも直線はジリジリ伸びてきている。砂はもともと嫌がるところはあるけど、ホライゾネットをしたから我慢して走っていた。
船橋1,800メートルならいいと思う。次じゃないですかね」と史上初の報知グランプリC3連覇へ向けて手応え十分です。

そして、3番人気6着ランリョウオーの本橋孝太騎手は「自分の競馬はできたし、よく分からない。
ただ、3、4コーナーの進み、道中の行きっぷりがいつもよりさみしかった。気持ちなのかな」と言葉少な。

致命的な出遅れで末脚不発の11着に終わった9番人気ミヤギザオウの今野忠成騎手は「ブリンカーが裏目に出ちゃった。
ゲートを出なければどうにもならない。もったいないけど、いろいろ試していかないと。ブリンカーがダメなら耳覆いを外すとか」。
昨年の羽田盃馬復活に向けた試行錯誤はしばらく続きそうです。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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