6月11日に川崎競馬場で行われた川崎スパーキングスプリントは、直線で外に進路を取った大井のプライルードが1番人気に応えて差し切り勝ち。
22年の優駿スプリント、アフター5スター賞に次ぐ重賞3勝目を飾りました。
プライルード(Photo by 両角昭男)
主戦の本田正重騎手は「スタートに少し不安がありますが、うまく出てくれて、いいところで競馬ができました。
体重の安定しない時期もありましたが、最近は安定しているのでこれからも楽しみです」と安堵の表情。
今後は、優先出走権を獲得した習志野きらっとスプリント(7月18日、船橋1,000メートル)が視野に入ります。
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎プライルード1着
〇カプリフレイバー4着
▲エンテレケイア2着
△ティアラフォーカス3着
△サンダーゼウス6着
△ヴァンデリオン7着
で的中。
人気を分けたエンテレケイアは直線でインに切り替えて追い上げましたが、ゴール直前でかわされてアタマ差2着。
和田譲治騎手は「外からハナに行く馬がいたので、ちょっと砂をかぶって怯んだところはあったけど、
なんとかしぶとく食らいつきながら直線伸びてきました。
馬の状態はすごく良くて、900メートルでも全然問題なく走れました。
結果論、2番手かハナに行けていたら力を出せていたと思う。距離はどこでも大丈夫。浦和1,400メートルか川崎900メートルがいい」
と悔しさをにじませていますが、昨年の川崎スパーキングスプリント3着(コラム参照)を上回る着順で、
7度目の重賞挑戦でついに初連対。タイトル獲得の期待が高まります。
エンテレケイア(Photo by 両角昭男)
直線で一旦先頭に立った4番人気ティアラフォーカスは伸びきれず、
前走の準重賞・メトロポリタンメイC(大井1,200メートル)と同じく3着止まり。
コンビ2度目の御神本訓史騎手は「900メートルでもちょっとしまいが甘くなる。
砂をかぶってフワフワしたらもうひと脚ありそうな気はするけど、ここ2回はスタートが出ているので無理矢理下げる必要もない。
スタートを切れるうちは正攻法でいい」と振り返っています。
ティアラフォーカス(Photo by 両角昭男)
約5か月ぶりの出走だった6番人気カプリフレイバーはマイナス18キロの馬体重(525キロ)でしたが、
調教から手綱を取っている川島正太郎騎手は「間は空いたけど、仕上がりに関しては良さそうな感じだったので、
もう少し前目のハナか一列目に行けたらワンチャンと思って狙っていた。
スタートは五分に出たけど、周りが速いですね。
でも、いつもの自分の形じゃない競馬だったのに直線で伸びてきてくれたので、収穫のあるレース。
次につながると思います」と手応え十分。
昨年の船橋記念のコラムでも触れた通り、22年8月の流星賞以来の勝利は近いでしょう。
全12勝中10勝をマークしている得意舞台で3番人気に支持されたトライアルの覇者サンダーゼウスは6着が精いっぱい。
森泰斗騎手は「外々を回されていますからね。あまり器用に競馬をできないし、自分の形にならないとこうなる。
ここでやるにはまだパワーアップが必要だと思います」と残念そう。
重賞初挑戦の壁には跳ね返されましたが、まだA2格付けなので、自己条件に戻れば主役級の評価が必要です。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。