コラム

戸塚記念

9月10日に川崎競馬場で行われた戸塚記念は、2周目4コーナーで先頭に立った2番人気ナイトオブファイアが後続を4馬身突き放す圧勝。
春は京浜盃3着、羽田盃2着、東京ダービー4着とナチュラルライズの後塵を拝しましたが、4度目の重賞挑戦で初タイトルを手に入れました。


ナイトオブファイア(Photo by 両角昭男)


横綱相撲でライバルをねじ伏せた矢野貴之騎手は「スタートは速くないけど、理想通りの3番手に行けて良かった。
相手が前の馬(シーソーゲーム)だと思っていたので仕掛けは早くなりましたけど、馬がちゃんと応えてくれました。
重賞を勝っていなかったのが不思議なぐらいの馬。交流でも勝つ力はあるので、なんとか一矢報いたい」ときっぱり。

3歳ダート三冠最終戦のジャパンダートクラシック(10月8日、大井2,000メートル)で再びJRA勢に挑みます。


矢野貴之騎手&ナイトオブファイア(Photo by 両角昭男)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎ナイトオブファイア1着
〇シーソーゲーム3着
▲ユウユウスキー2着
△ピノマハナ5着
△スピンディエゴール6着

で的中。

前走の東京ダービーで◎に先着したシーソーゲームは、マイペースで逃げたものの3着止まり。
御神本訓史騎手は「レース前にテンションが高かったのが気になった。それでちょっと消耗している可能性がある。
ダービー(コラム参照)がかなりうまく行きすぎた結果で、このメンバーでもう1回やって真価が問われると思ったけど、
これぐらい踏ん張って帰ってきている。距離は若干長いかな。1,800メートルぐらいがベスト。
まだ馬も若いし、いい経験」と今後の成長に期待を寄せています。

単勝1・9倍同士の“2強ムード”を打ち破ったのは、しぶとく脚を伸ばした4番人気ユウユウスキーでした。
吉井章騎手は「ナイトオブファイアを目標に運んだ感じ。左回りは全く問題ないし、距離は長くてもいい。
初めての馬場で戸惑いがあって、追走に手間取ってしまった。勝負どころでナイトオブファイアに置いていかれたのが敗因かな。
しまいはいい脚できているし、力のあることは証明できた」と手応えをつかんでいます。
黒潮盃のコラムでも触れた通り、距離は長い方がいいタイプ。左回りコースを克服したことでレースの選択肢が増えたのは好材料でしょう。


ユウユウスキー(Photo by 両角昭男)


向こう正面でロングスパートを仕掛けた6番人気ヤギリケハヤが、見せ場たっぷりの4着に健闘。
最後方でレースを進めた張田昂騎手は「決め打ちをした。トップスタートぐらいの感じだったけど、
距離がもたないのは分かっているから我慢した。半マイル勝負で。
今日の馬場も見て、シフトチェンジしたのが正解。まともにやれるのは1,600メートルまで。
本当に止まっているし、馬なりで行ったら着外。脚を使えたのは馬の頑張り」と納得の表情です。


ヤギリケハヤ(Photo by 両角昭男)


そして、トライアル・芙蓉賞を制した3番人気ピノマハナは伸びきれず5着。
本田正重騎手は「ポジションはもう一個後ろでも良かったかな。いいところに入りすぎた感じ。
もうちょっと脚は使えたと思うけど、勝ちに行ったぶんですね。距離は大丈夫」と振り返っていました。

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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