2026 Dirt Triple Crown
2025.12.17 川崎 1,600m全日本2歳優駿(JpnI)

2024年優勝馬 ミリアッドラヴ号
Road to 全日本2歳優駿

全日本2歳優駿とは
「第76回全日本2歳優駿(JpnI)」
南関東の2歳馬にとっては大目標となるレースであり、日本の2歳ダートチャンピオンが決まる一戦。
そして、夢は大きく、世界へと繋がるビッグレースだ。
~ケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ~
『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』
2017年から全日本2歳優駿が「ケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ」に組み込まれ、
全日本2歳優駿出走馬には、翌年の「ケンタッキーダービー(USA・GI)」に出走するチャンスが広がった。
本シリーズに全日本2歳優駿が組み込まれて以降、「ケンタッキーダービー」に駒を進めたのは、
2022年優勝馬デルマソトガケと2023年優勝馬フォーエバーヤング。
とりわけ、フォーエバーヤングの活躍は目覚ましく、
翌2024年にはケンタッキーダービーで3着に好走、その後も地方・海外を舞台に活躍を続け、
迎えた2025年11月にはダート競馬の最高峰「BCクラシック(USA・GI)」を制し“世界一”の栄冠を手にしている。
そして、この勝利はすなわち、全日本2歳優駿が世界に繋がるレースだということを証明した結果と言っても良いだろう。
なお、全日本2歳優駿は1997年に交流戦になって以降、JRA21勝に対して地方勢は7勝。
地方勢の優勝馬は…
2000年トーシンブリザード
2001年プリンシパルリバー
2006年フリオーソ
2009年ラブミーチャン
2013年ハッピースプリント
2019年ヴァケーション
2020年アランバローズ
"超"がつく大物たちが制してきた歴史があり、ここを勝つとその後の活躍が非常に楽しみになってくる。
2025年12月17日は川崎競馬場から目が離せない!
予想<日刊競馬・佐藤匠>
◎ベストグリーン
昨年は5頭参戦のJRA勢がワンツー。
ただ、勝利したミリアッドラヴが前走エーデルワイス賞(JpnIII)V、
2着のハッピーマンが同兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)Vと
しっかり地方ダートで適性を見せて力を発揮してきた馬たちが結果を出していた。
それと比べると今年のJRA勢はかなり小粒な印象が否めないし、地方の総大将といっていいこちらが必然的に浮上……、
というのが今回の予想の出発点となる。
ベストグリーンは地元門別の大一番・JBC2歳優駿に背を向けて参戦した鎌倉記念が8頭中7頭が無敗という異例のレース。
3着ゼーロスがのちのハイセイコー記念勝ち馬、5着ロードレイジングが8月ルーキーズサマーカップを勝っていた馬で、
6着スマトラフレイバーがのちの平和賞勝ち馬と出走馬たちの前後の活躍からもハイレベルは疑いようがない。
結果として道中で一気に流れが加速とかなり地力を問われる展開になったが、
それでも満を持して勝負どころから外を回っての安全運転の末に勝ちタイム1分43秒4、
圧巻のデモを果たして今回、頂上決戦へと勇躍参戦となった。
今回は中間に5ハロンから59秒5、46秒9、34秒7と
古馬スプリント重賞さながらのスピード調教を馬なりでこなしさらに力をつけてきている。
今年1回目の能検で48秒6と一番時計をマークした当時から道営ナンバーワンの呼び声高かったが、
そこから半年強、ついに日本一を狙う態勢も整った印象。
陣営がしばし重ねるハッピースプリントが13年に制した全日本2歳優駿。
青写真を描いている春の海外遠征へとつなげていくためにもここは何よりも結果が欲しい一戦だ。
○パイロマンサー
22年の覇者・デルマソトガケもステップとしていた「もちの木賞」、こちらを制して2戦2勝としたのがパイロマンサーだ。
昨年覇者クァンタムウェーブもブルーバードカップ(JpnIII)2着、
一昨年覇者アンモシエラがJBCレディスクラシック連覇とほぼ外れなくダートグレード競走通用級の勝ち馬を輩出する
信頼度の極めて高い出世レースを先月、1分51秒6の好タイムで勝利した。
不良馬場となった翌週みやこSで日本レコードが飛び出した高速セッティングの馬場状態とはいえ、
水準以上のスピード能力を見せてきたことは疑いようがないところ。
今回は初の長距離輸送、タイトなコーナーでの左回りマイル戦と無論克服しなければならない点は多いが、
16頭のフルゲートで先行する濃い競馬を2度とも行ってきた点、
そして前走は先々を見据えて砂を被らせる競馬を行った点、順調にいい経験を積んできていることは間違いない。
いきなりの最高格参戦でもポテンシャルは見劣りしない1頭といえる。
▲フルールドール
こちらは初ダートの未勝利戦を制し、返す刀で挑んだJBC2歳優駿で2着というキャリア。
その前走は前半3ハロン37秒2のハイペースを番手から追走、
終い我慢比べの末勝ち馬にゴール前僅かに差されてクビ差屈する形となった。
ただ、今回は舞台が小回り川崎マイル戦に変わると考えるとよりよい競馬をしたのはこちらという印象で、
勝ち馬タマモフリージアとの逆転は立ち回りひとつで十分なると考えられる。
△タマモフリージア
そのフルールドールをゴール前差し切って2戦2勝のJBCウィナーとなった。
昨年全日本2歳優駿3着ソルジャーフィルド、
一昨年覇者フォーエバーヤングを送り出すローテーションと考えると決して悪くはないものの、
北海道2歳優駿からJBC競走に生まれ変わった20年以降3年の勝ち馬は全日本2歳優駿で
5人気10着ラッキードリーム、2人気9着アイスジャイアント、不出走のゴライコウとまったく結果には繋がっていなかっただけに、
過去2年にたまたま大物がいただけという可能性も現状は捨てきれないというのが正直な見立て。
まして過去6回で唯一の決着時計1分55秒台、
上がり3ハロンもメンバー中で最速、2番手となれず3番手となったJBC2歳優駿勝ち馬
というのはこのタマモフリージアが初めてと考えると、この大一番では全幅の信頼とは言いがたいか。
また、前走は3角までイン、直線は外と鞍上の田口貫太騎手がロスなくエスコートしていた印象があるし、
当時からかなりのパワーアップは求められるところだろう。
無イダテンシャチョウ・ライフオブラクーン
ここまで挙げたJRAは3頭がオープン馬。
残るイダテンシャチョウ、ライフオブラクーンはいずれも前走1勝クラスで着外とはっきり力では見劣る印象がある。
ここ2年重賞2着もない純粋な1勝馬の参戦はなかったが、
直近で参戦の22年コパノハンプトンは前走1勝クラス特別2着という臨戦過程にも関わらず
結果14頭立て12着とはっきり最高峰の壁に阻まれている。
出走にこぎつけた幸運、当時にはない少頭数の利はあるものの、
馬券勝負としてはしっかり絞っていきたいレースだけにここは見送りとしたい。
YouTube予想
参考情報
参考レース
-
- 10/15
- 川崎
- 1,600m
- 鎌倉記念(SII)
- ベストグリーン
-
- 11/3
- 門別
- 1,800m
- JBC2歳優駿(JpnIII)
- タマモフリージア
-
- 11/5
- 船橋
- 1,600m
- 平和賞(SII)
- スマトラフレイバー
-
- 11/12
- 大井
- 1,600m
- ハイセイコー記念(SI)
- ゼーロス
-
- 11/27
- 園田
- 1,400m
- 兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)
- トウカイマシェリ
レース後分析<ケイシュウNEWS・取材部>
★当日の馬場状態・馬場傾向
3日目になり稍重に回復して開催。
当日は逃げ馬が5勝・2着1回、2~3番手で運んだ馬が4勝・2着5回と、基本的には前有利の馬場傾向。
ただし、ペースが流れた際は差し勢も3勝と台頭した。
★地元トラックマンによる舞台ジャッジ
川崎1,600m自体は枠順の有利不利はないが、小回りでコーナーがキツいため、スムーズに立ち回れるかがポイント。
キャリアの浅い2歳馬や大跳びの馬には克服できるかがカギとなる。
★レース回顧
タマモフリージア、コスモギガンティアが出遅れ。
各馬が抑えながら互いの出方を牽制し合い、結果的には外からイダテンシャチョウがハナを奪って1コーナーへ。
前半3ハロン37秒6のスローペース。2番手にパイロマンサー、その外にベストグリーンがつけ、有力各馬は先行集団での競馬。
4コーナーからパイロマンサーとベストグリーンが抜け出して一騎打ちムード。
一旦はベストグリーンが抜け出したかに見えたが、内からパイロマンサーが盛り返す。
その2頭の後ろで構えていたタマモフリージアが最後に外から差し切る勢いだったが、パイロマンサーが凌いで勝利。
デビュー3連勝でのタイトル奪取となった。
★各馬の評価・次走狙い馬
1着パイロマンサー【将来性◎】
パドックでは2人引きで気合十分。
マイナス9キロで少し細い感じもしたが、見方を変えれば仕上げてきた体つき。
スタート直後はスローペースで行きたがっていたが、1コーナーで2番手を取って折り合う。
このポジションを取れたのが結果的に勝利へと繋がった。
直線では一旦、ベストグリーンに出られながらも盛り返す根性を見せたし、レース後の場内インタビューで鞍上の岩田望来騎手は、
『能力は秘めていると思っていたので、勝てて良かった。思った以上に隊列がすぐに決まってスローな流れに感じた。
ナイター、左回りも初めてで馬も戸惑っていたが、よく凌いでくれた。
抜け出して気を抜くような仕草を見せて、外から来ていたのでヒヤっとしたが、勝てて良かった。
来年も飛躍してくれると思う』とコメント。
勝ち時計は近年と比べると物足りない部分もあるが、
栗東から関東圏への輸送競馬、左回り、小回り、ナイターと初物尽くしで結果を出せたのは今後に繋がるはず。
2年前の優勝馬フォーエバーヤングは後にブリーダーズカップを制覇。
経験を積んでの活躍を期待したい。
2着タマモフリージア【底力アリ】
マイナス17キロの発表があった時は心配もあったが、パドックでは見た目に馬体減の影響はなさそうに感じた。
落ち着いて周回していたが、馬場入り時だけ2人引きにして最後に入場。
レースは最内枠から出遅れ。
ただ、スローペースだったこともあり、
すぐに態勢を立て直して1コーナーではパイロマンサーとベストグリーンの後ろでマークする形。
初の左回りだったが、スムーズな立ち回りでゴール前外から迫ったが惜しくも2着。
10月のデビューから約2ヵ月間で拠点の栗東から京都→門別→川崎への輸送を経ての競馬。
2歳牝馬にとってはタフなローテーションだっただけに今回の馬体減に繋がった可能性もあるが、
大型馬であったことや同馬の精神力の強さを感じさせる内容だった。
牝馬同士の争いなら当然上位争いになる。
3着ベストグリーン【力差なし】
前走に続いて川崎参戦。
追い切りでも破格のタイムをマークして仕上がりに関しての不安はなかったはず。
パドックでは前走時と同様に少し周りを気にしながらの周回だったが、前走時よりテンションは高そうに感じた。
レースは五分の発馬から行きたがるのを抑えて結果的には外3番手。
ただ、1~2コーナーでは掛かり気味。向正面でなだめて4コーナー先頭で王道の競馬。
一旦抜け出したかに見えたが、パイロマンサーに盛り返され、外からタマモフリージアに差されての3着。
勝負のポイントは1コーナーの入り。
タラレバになってしまうが、牽制し合うスローペースを考えると1コーナー2番手で入れれば結果も違ったのでは?と思う部分もある。
とはいえ、地方勢では最先着。鎌倉記念では今回の勝ち時計を上回る時計で走れており、この一戦だけで評価は下げられない。
来年以降の巻き返しを期待したい1頭。
『鎌倉記念の時と比べて違った点は、かなり気が入っていたということ。
自分としてはポジションは気にしないでいいと思っていたけど、
結果的にペースが遅くて少し引っ掛かってしまったような面もありましたからね。
もう少し前でスペースを確保すれば良かったのかもしれませんが、決して力負けではないと思っています。
今回は乗り手の未熟さや精神面の弱さが馬の進化を妨げてしまう結果となってしまいましたが、
来年に向けてはいつでもチャンスが巡ってきてもいいレベルの馬です。
改めてビッグタイトルに挑戦したいと思っています』と小野騎手。
4着アヤサンジョウタロ【伸びシロある】
パドックではメンコの下にチーク着用。
北海道からの長距離輸送を経ての競馬だったが、マイナス1キロで体重ほぼ変わらず。重厚感ある体つき。
レースは発馬を決めると中団からラチ沿いを進んでロスのない競馬。
3コーナー手前で笹川騎手が仕掛けて好位まで押し上げて直線へ。
前の3頭は捕らえられなかったが、渋太く脚を伸ばして3着ベストグリーンからは0秒2差の4着。
キャリア初の左回り、関東圏への輸送競馬だったことを考えれば健闘したと言える。
1,100mの新馬戦を勝って以降は未勝利だが、3走前に距離を延ばしてからも安定した走り。
詰めの甘さを改善できれば、来年以降の活躍が期待できそう。
『返し馬で川崎コースは向かないかなと感じましたが、やや戸惑いがあるなかでも、内に潜り込んで走れていました。
うまく対応してくれたと思うし、やりたい競馬はできたと思います。距離は長い方が良さそうです。
まだ緩さを残していますが、これから成長してくればクラシックも意識できると思います』と笹川騎手。
7着フルールドール【巻き返せる】
パドックではグイグイ自ら前に進んで気合乗りも良好。
ただ、馬体重がマイナス10キロ。
レースはスタートの出は一番良かったが、抑えて他馬を行かせる形、
イダテンシャチョウの後ろに入ったが、砂を被って少し嫌がる素振り。
向正面では折り合っていたが、3コーナー過ぎから鞍上の手が動き出す。周りの動きについていけず伸びを欠いた。
考えられる敗因は、ダートでの近2戦と違い砂を被って馬込みからの競馬。
外2番手で砂を被らずレースしてきただけに、初めて経験する形に戸惑った可能性はある。
そして馬体重。10月の未勝利戦から京都→門別→川崎と栗東からの転戦。そのあたりも少なからず影響があったのかもしれない。
血統的な魅力があるだけに、自分の形で好位から競馬できれば巻き返してくる可能性はある。
牝馬同士なら見直したい。
レース回顧
レース概要
| 実施日 | 12/17(水) |
| 競馬場 | 川崎競馬場 |
| 距離 | 1,600m |
| 出走条件 | サラ系2歳 |
| 負担重量 | 牡馬56kg 牝馬55kg |
| 優先出走権 | なし |





