コラム

プラチナカップ       

5月22日に浦和競馬場で行われたプラチナCは、最後の直線でしぶとく脚を伸ばした3番人気アマネラクーンが差し切り勝ち。
7度目の重賞挑戦でついにタイトルを手に入れました。

アタマ差2着で涙を呑んだ昨年のリベンジを果たした森泰斗騎手は
「デビューの頃から重賞に手が届くと言い続けてきて、自分の感覚と馬の地力を証明できたかなと思ってうれしいです」と満面の笑み。
浦和1,400メートル〈15-3-1-3〉としたスペシャリストの次走は、
Jpn1に昇格した上半期のダート短距離王決定戦・さきたま杯(6月19日)が視野に入ります。


(左)アマネラクーン(Photo by 両角昭男)


『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は

◎アマネラクーン1着
〇アランバローズ3着
▲ジャスティン10着
△ツーシャドー2着
△サヨノグローリー4着

で的中。

前走の東京スプリントでJRA勢をねじ伏せていたジャスティンは、1番人気に支持されるも10着。
不完全燃焼に終わった西啓太騎手は「砂をかぶっても平気な馬ですけど、ずっとバランスが悪い感じで走っていました。
雰囲気も前回の返し馬よりイレ込みがキツく、そういうのも(結果に)つながったのかなと思います。
今日は距離やコースというより、馬のメンタル的なところ」と首を捻っています。

20年のさきたま杯(1番人気5着)、2走前のゴールドC(2番人気4着=コラム参照)でもパフォーマンスを発揮できていないので、
やはりベストは全10勝中7勝をマークしているダート1,200メートルのようです。


ハナを主張した紅一点の4番人気ツーシャドーは、あと一歩及ばずクビ差2着。
しらさぎ賞に次ぐ重賞連勝を逃しましたが、和田譲治騎手は
「スタートも良く、行く気で行って自分のペースに持ち込めたけど、3コーナーぐらいでペースが上がったから、最後は苦しくなった感じ。
ちょっと切れ味で負けたかな。でも、時計は速いし、今日のメンバーでこれだけやれたので今後も楽しみ。
女馬同士ならまたチャンスあると思うし、男馬相手でも」と手応え十分でした。


ツーシャドー(Photo by 両角昭男)


3コーナー先頭の積極策でクビ+アタマ差の接戦に持ち込んだ2番人気アランバローズの笹川翼騎手は
「もうちょっと遊ばせたいけど、折り合いをつけすぎるとやめるし、難しい。
コーナーはめちゃくちゃ上手いので、3コーナーでパッと内に入れればもっといい。
コーナーで加速する感じで、最後は止まっても…のイメージ。もう少しやりようがある気もするけど、
人も馬もブレずにやっていった方がいい気がします」と前を向きます。
京成盃グランドマイラーズのコラムでも触れた通り、21年の東京ダービー以来の重賞Vは確実に近づいているようです。


アランバローズ(Photo by 両角昭男)


連覇を狙った7番人気サヨノグローリーは、メンバー最速タイの末脚で4着に追い込みました。
澤田龍哉騎手は「昨日の夜の雨もあって今日は全体的に前残りなので、乾いていたらもっと伸びていたかも。
もうちょっと前で競馬をすれば差し切れたと思われがちだけど、そうするとこの脚は使えない。
まだトモの緩さがあるので、この競馬が一番いい。浦和1,400メートルがベスト。
馬場状態、枠順がかみ合ってくれれば」と巻き返しを狙っています。


サヨノグローリー(Photo by 両角昭男)


そして、ハナ差の掲示板争いを演じた以下の実績馬2頭は要チェックです。

約1年1か月の長期休養明け2戦目だった9番人気ティーズダンクは、1コーナーで不利がありながらも5着を確保。
初騎乗の本田正重騎手は「まだ重いです。あと20キロぐらい絞れていいのかも。
不利はあったけど、競馬はしやすいし、やはり乗り味はいいですね」。
マイナス11キロの馬体重531キロでしたが、22年のプラチナCを制した時は514キロ。
絞りやすい季節に入り、完全復活に向けてさらに調子を上げてくるでしょう。

10番人気カジノフォンテンは古豪復活へ大きく前進。
一か八かでインを狙っていた石崎駿騎手は「4コーナーで詰まっちゃったけど、割れたら前に追いついたかも。
状態が上がってきて脚は使えているから、メドは立ったかな」と納得の表情。
かしわ記念(9着)のコラムでも触れましたが、もう一花咲かせてくれそうな雰囲気です。


カジノフォンテン(Photo by 両角昭男)

プロフィール

プロフィール

江橋 大介

競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。

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