9月4日に川崎競馬場で行われた戸塚記念は、2周目3コーナーで先頭に立った1番人気サントノーレが後続を6馬身突き放す圧勝。
約5か月半の骨折休養明けのブランクを全く感じさせず、ダートグレードウイナーの力を見せつけました。
手綱を任された笹川翼騎手は「追い切りで乗せてもらった時から力はすごいものを感じていました。
エンジンや馬力がすごいので抑えるのに苦労してしまったのは僕の技術不足なところ。
向こう正面でペースアップしてくるのは分かっていたので、出せるうちに外に出したいなという気持ちがあり、早めに先頭に立った形。
直線ではまだ遊ぶ部分もあり、まだまだ未知の魅力があります」と大絶賛。
サントノーレ(Photo by 両角昭男)
新体系元年のダート三冠最終戦・ジャパンダートクラシック(10月2日、大井2,000メートル)で世代最強の座を狙います。
サントノーレ(Photo by 両角昭男)
『南関競馬スパッと予想』ブログで公開した予想は
◎サントノーレ1着
〇シシュフォス4着
▲フロインフォッサル2着
△マコトロクサノホコ3着
△ムットクルフェ7着
△ペルセヴェランテ8着
で的中。
クビ+クビ差の2着争いを制したのは、5番人気フロインフォッサルでした。
約3か月ぶり、マイナス18キロの馬体重(460キロ)にもかかわらず、サントノーレに次ぐ末脚で追い込んだレースぶりに本田正重騎手は
「切れるのは切れるけど、状態が良ければもう少し前で運べたと思う。一回立て直すのかな。
体はあと30キロ欲しいし、トモがしっかりしてくれば交流でもチャンスがありそう。来年が楽しみ。コーナーは緩い方がいい」。
雲取賞5着、羽田盃3着、東京ダービー7着時のコラムでも触れた通り、まだまだ成長待ちの段階。本格化する日を待ちたいと思います。
フロインフォッサル(Photo by 両角昭男)
向こう正面で早めに動いた3番人気マコトロクサノホコがしぶとく3着に踏ん張りました。
2度目のコンビだった御神本訓史騎手は「東京ダービー(9着=コラム参照)の時は思ったより反応が悪かったので、早めに踏んでいった。
勝ち馬は強かったけど、あとは差のない競馬ができているし、今日は力を出せたと思う。長くいい脚を使えるね。
チークピーシーズをしているように難しいところがあるけど、順調に行ってくれれば一線級でも」と手応えをつかんでいました。
マコトロクサノホコ(Photo by 両角昭男)
勝ち馬をマークする形で進んだ2番人気シシュフォスは、追い上げ及ばず4着止まり。
森泰斗騎手は「うまく行っていますけどね。前走から間隔がないのもあまり良くなかったのかもしれない。
もうちょっと成長すると思うので、来年に期待しています。距離は上手にこなせます」と振り返っています。
休養明け2戦目の上積みよりも、中2週のローテーションが想像以上に厳しかったようです。
トライアルの覇者で4番人気ペルセヴェランテは不完全燃焼の8着。
矢野貴之騎手は「スタートで全てが後手、後手になっちゃった。出負けして脚を使っているし、息を抜くところも分かっていない感じ。
2,100メートルでリズムが悪く、ちょっとやめる感じになっちゃった。
それでも最後の直線で気持ちは失われていないし、こういう競馬を経験して成長してくれればいいと思います。馬は走りきっていないです」。
連勝は3で止まり、デビュー9戦目にして連対を外しましたが、重賞初挑戦だったのでそう悲観することはありません。
江橋 大介
競馬記者として25年以上に亘り南関競馬を取材する経歴を持つ。
長年の現場取材で培った自身の眼を頼りに、馬はもちろん南関競馬に携わるあらゆる人との繋がりで得られた情報を元に結論を導き出す予想スタイル。